小津映画音楽のピアノリサイタル

6/15(木)19時より、紀尾井町サロンホールに於いて、青木美樹さんのピアノリサイタルが開催されました。今回のトピックスは、「ウィーンの宝」と称されるヨーロッパ在住のピアニスト青木美樹さんが、小津映画音楽のピアノ演奏を世界で初めて披露したことです。

第1部は、私を泣かせてください(ヘンデル)、今こそ別れねばならぬ(ダウランド)、ソナタ第4番変ホ長調Op.7(ベートーヴェン)という、オーソドックスなクラシック演奏でしたが、第2部ではガラッと打って変わり、小津映画音楽によるピアノ演奏となりました。

しかも、第2部の冒頭で私に何か喋ってくださいと言うリクエストがあり、のんびり鑑賞するつもりが、いきなりのプレッシャーですっかり調子が狂ってしまいました。

小津映画音楽のピアノ作品について、私がお話した内容は以下の通りです。

「これから、青木美樹さんに演奏していただく作品は、もともとピアノ曲ではありませんでした。実は、これらの作品に、ピアノ曲が存在していたことは、私たち家族も全く知りませんでした。

2015年の秋、偶然一本のカセットテープを見つけたことがきっかけでした。そこには、父自身がピアノ演奏する、小津映画音楽が録音されていました。

それを聴いた時は、大変驚きましたが、ピアノ演奏したということは、楽譜があるに違いないと考え、家中を探してみたところ、ピアノ譜を見つけることができました。本日は、そのピアノ譜を元に、青木美樹さんに演奏していただきます。
…(以下省略)」

青木さんは、普段はオーストリアを拠点に活動されていますが、今回は小津映画音楽を中心としたCD制作のために帰国しており、その中でのピアノリサイタルでした。

青木さんの深く豊かな感性から紡ぎ出される美しい音色は、聴くものを魅了して止みません。本場ウィーンでも高い評価を得ている青木さんの演奏には、本当に心が奪われるような感動を覚えました。

CDの録音は、6/22に終了するそうです。今からCDのリリースが、本当に待ち遠しいです。
青木さんの奏でる小津映画音楽が、ヨーロッパの人々の耳にも届き、多くの方々がその素晴らしさに気付いてくれる日が来ることを、日本の地より心から願っております。

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