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2015年10月24日(土)、25日(日)の両日、東京世田谷で「小津安二郎 弦楽トリビュート・コンサート」が開催されます。小津映画トーキー以降の全作品を弦楽四重奏にアレンジし、一挙に演奏します♪(*^_^*)♪
演奏は、ノン・ジャンル弦楽四重奏団≪モーメント・ストリングカルテット≫です。
https://twitter.com/moment_fun_club

momequarモーメント・ストリングカルテット(左から飯田香、有馬真帆子、小野瀬はるか、郷田祐美子)

プログラムの概要は以下の通りです。
第一部は、伊藤宜二作曲と斎藤一郎作曲による1936年から1952年に公開された10作品の映画音楽です。小津映画音楽が演奏されるケースは非常に珍しく、特に伊藤宜二と斎藤一郎両氏の作品はこれまでにほとんど演奏されたことがありません。

トーキー作品の前半を受け持った伊藤宜二と斎藤一郎の作品は、静謐であり重厚感を備えた隠れた名曲揃いです。伊藤氏と斎藤氏の両名とも、小津映画の黄金期を陰から支えた名バイプレイヤー的な存在です。「音楽は決して目立ってはいけない。」という小津監督の厳格な要求を忠実に守り抜いた作風と言えるでしょう。

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【曲目】
一人息子 (1936 伊藤宜二)
淑女は何を忘れたか (1937 伊藤宜二)
戸田家の兄弟 (1941 伊藤宜二)
父ありき (1942 彩木 暁) ※斎藤一郎のペンネーム
長屋紳士録 (1947 斎藤一郎)
風の中の牝鶏 (1948 伊藤宜二)
晩春 (1949 伊藤宜二)
宗方姉妹 (1950 斎藤一郎)
麦秋 (1951 伊藤宜二)
お茶漬けの味 (1952 斎藤一郎)

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第二部は、斎藤高順作曲と黛敏郎作曲による1953年から1962年に公開された9作品の映画音楽です。斎藤高順の参加によって、小津作品はより一層映像に彩りが増し、まさに円熟期を迎えたと言っても過言ではありません。小津が求めていた音楽が、ついに斎藤高順により完成形を見たのです。「東京物語」以降の小津作品は、斎藤による“小津調サウンド”に満ち溢れています。

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一方黛敏郎の音楽は、これまで積み上げてきた小津映画音楽の概念を破壊したと言えるのではないでしょうか。後期の小津作品の中では異色であり、全く小津映画音楽の伝統に則っていません。しかし、音楽そのものはユニークで完成度が高く、小津映画の新たな一面を引き出したとも考えられます。

こちらも第一部の伊藤宜二、斎藤一郎作品と同様、全曲続けて演奏される機会は皆無と言ってよいでしょう。小津映画音楽は、これまで映画音楽というジャンルにおいて、注目されたことはほとんどありませんでした。従いまして、極めて貴重な演奏と言えますので、小津映画ファンのみならず、是非沢山の方にお聴きいただきたいプログラムです。

【曲目】
東京物語 (1953 斎藤高順)
早春 (1956 斎藤高順)
東京暮色 (1957 斎藤高順)
彼岸花 (1958 斎藤高順)
お早よう (1959 黛 敏郎)
浮草 (1959 斎藤高順)
秋日和 (1960 斎藤高順)
小早川家の秋 (1961 黛 敏郎)
秋刀魚の味 (1962 斎藤高順)

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両日とも、斎藤高順の息子斎藤民夫(当法人代表理事…私です(;´∀`))による小津映画音楽に関する解説が行われます。
①「東京物語」の隠れた名曲誕生秘話
②小津監督が好んだ「お天気のいい音楽」とは
③「秋刀魚の味」のポルカには歌詞が付くはずだった?

上記のエピソードについて披露する予定です。関係者しか知り得ない、貴重なエピソードではないかと考えております。もちろん、本邦初公開の内容です。

演奏会の雰囲気を掴んでもらうには、実際の音源をお聴きいただくのが手っ取り早いかと思います。モーメント・ストリングカルテットのリハーサルテイク音源をアップしました。以下より、お聴きいただくことができます。

さらに、お酒好きの皆さんに朗報です!(*^¬^*)
諏訪大津屋本家酒造様のご厚意により、信州の名酒ダイヤ菊が無料(タダ)でお呑みいただけます♪

小津監督とダイヤ菊には、とても深い繋がりがあるのです。小津監督は、脚本の執筆のために蓼科の山荘を利用しました。そこで、盟友野田高梧とともに数々の名作を生み出しましたが、その傍らにはいつもダイヤ菊がありました。議論しては呑み、書いては呑み、談笑しては呑み…一本の脚本を仕上げるために、100本ものダイヤ菊を呑み干したと言われるほど愛飲した名酒です。この機会に、是非味わってみて下さい♪(@^◇^@)

小津とダイヤ菊

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