にんげん座公演「あたしのへーさん」
劇団にんげん座の公演「あたしのへーさん」(10/11~15)に参加しました。参加と言っても、今回は裏方として芝居に携わっただけで、舞台へ出演したわけではありませんが…(苦笑)。にんげん座の主宰者飯田一雄先生からご連絡をいただいて、浅草観光会館でお会いしたのは8月20日のことでした。
本番まで2ヶ月を切った頃に、次の舞台で小津映画音楽を使いたいから、サイトウ・メモリアルアンサンブルの皆さんに出演してもらえないか、といきなり頼まれました。私自身、すでに10月12日、13日は函館旅行の予定が入っており、スケジュール的に無理なので、その場で今回は参加できません、とお断りしました。それならば、せめて音源だけでも使わせてもらえないだろうか、と飯田先生は仰いました。
サイトウ・メモリアルアンサンブルによる小津映画音楽の音源は、2016年のにんげん座公演「廻れ走馬灯」のときに録音したものが残っていました。この音源は、今年の蓼科高原映画祭プレイベントにも使用していただいたもので、飯田先生も音源があることを憶えていらしたのです。音源の使用だけならば可能なので、タイトルバックと劇伴の音楽を引き受けることにしました。
その後、飯田先生から台本をいただいて、音楽が入る場所を指定してもらい、稽古にも立ち会って使用する音楽を決めていきました。また、障子をスクリーン代わりにして、裏側からプロジェクターで動画を投影するシーンがあり、この動画を90秒くらいに編集する作業も依頼されました。しかし、この動画が何とエロ動画でして…(苦笑)、飯田先生からDVDを10枚くらいお預かりし、その中から良さそうなシーンを選んで90秒くらいに編集するというのが依頼の内容でした。
飯田先生の希望としては、エロ過ぎても駄目、普通過ぎても駄目、程よくエロくてギリギリな感じで、という大変難しい注文でした(笑)。何度か駄目出しがあり、ようやく良さそうなシーンに落ち付きましたが、結局本番では芸術祭参加作品のため文化庁から審査が入るということで、問題のシーンはカットされることになりましたが…(苦笑)。
それから、本番ではタイトルバックをPCからプロジェクターに投影する際に、タイミング良くPCのENTERキーを押すのと、続けてナレーションに合わせて静止画を切り替える作業があり、ステージ袖でPCのオペレーションが必要になったため、私とサイトウ・メモリアルアンサンブルのメンバーが交代でこの作業を受け持ちました。
結局、舞台に立つことはありませんでしたが、何だかんだと劇団やスタッフの皆さんとは長い時間を共に過ごすことになりました。裏方仕事は最初だけなので、後は観客としてじっくり芝居を拝見させていただきましたが、「あたしのへーさん」は脚本も皆さんの演技もとても面白く、また青空うれしショーは飛び入りゲストも多彩で大変楽しめました。18日には浅草で劇団の打ち上げが盛大に行われ、我々も参加させていただきましたが、大いに呑み、大いに笑い、大変愉快な宴会でした。今回も劇団にんげん座の皆さんには感謝の気持ちで一杯です。