「大宇宙のピアノ・ファンタジー」に関して
2018年10月にリリースされた小津映画音楽のピアノ作品集「Tokyo Story」には、後半に「大宇宙のピアノ・ファンタジー」が11曲収められています。「大宇宙のピアノ・ファンタジー」は、1992年に音楽之友社より楽譜が出版されました。1分から3分くらいの小品集ですが、とても美しく穏やかなメロディーが印象的な作品が16曲で構成されていました。
曲目は以下の通りです。
1.星の王子と王女の夜想曲
Nocturne for Prince & Princess of Stars
2.火星人のロボットのガボット
Martian Robots’ Gavotte
3.七色の虹のブランコ
Rainbow Swing
4.金星キラキラ・タランテラ
Tarantella of Twinkling Venus
5.織姫と彦星のスペース・ロマンス
Space Romance of Vega & Altair
6.ほうき星のビッグ・パレード
Comet’s Big Parade
7.お日さまとお月さまのかくれんぼ
The Sun & The Moon Playing Hide-and-Seek
8.三つ星のメヌエット
Menuett of Three Stars
9.行進曲偉い大先生北極星
Great Polestar March
10.ソファミレドラマーかみなりサンダー
Sol-Fa-Mi-Re Drummer Thunder
11.ワルツかんむり星座の回転木馬
Merry-Go-Round Waltz on Crown Constellation
12.まっ白な雲の綿菓子
Candy Fluff Made of White Clouds
13.天の川の船唄
Barcarole of The Milky Way
14.大宇宙遊覧UFO
Space Pleasure Boat UFO
15.流れ星のジェットコースター
Shooting Stars’ Roller Coaster
16.土星の子供はフラフープかお好き
Saturn’s Children Like Hula Hoop
キングレコードの宮山プロデューサーが、「大宇宙のピアノ・ファンタジー」にとても愛着を感じてくださり、「Tokyo Story」に是非収録したいと希望されました。ただ、全曲収録するとCDの容量をオーバーしてしまうため、宮山プロデューサーの判断により5曲ほどカットすることになりました。
お恥ずかしい話ですが、私自身は「大宇宙のピアノ・ファンタジー」を聴いたことがなかったため、収録曲の取捨選択には一切関与せず、宮山プロデューサーとピアニストの青木美樹さんに全てお任せしました。
以前、全音楽譜から父の作曲による「うらしま太郎」と「マッチ売りの少女」が出版されました。これらはピアノ絵本館というシリーズもので、楽譜と絵本が一体になった作品でした。「大宇宙のピアノ・ファンタジー」も曲のタイトルに相応しいショートストーリーを付け加えて、楽譜と絵本を組み合わせた作品にできないだろうか…と考えました。オリジナルには、たなべうりという方の短いお話が付いていますが、それとは切り離して参考にはしないことにしました。
友人の田村風来門画伯に相談し、田村画伯が絵、私がストーリー、楽譜は自費で浄書したデータがあるので、楽譜付き絵本として出版を検討中です。ストーリーの叩き台は大体できていますが、曲のイメージとは少し違うような気もしており、書き直すべきか否か思案しているところです。
子供(小学校低学年くらい)を対象にした、楽譜付き絵本にできたら楽しそうだな…などと勝手に考えています。ただ、音楽出版関係の方にもご意見を伺ってみましたが、楽譜付き絵本では対象となるユーザーが限られてしまうので、絵本と楽譜は切り離して考えた方が良いのではないか、とのご意見もありました。今後どうしていくべきか、田村画伯をはじめ、アメリカ人の絵本作家の方にもご指摘をいただくなど、出版化へ向けて色々と進めているところです。