斎藤高順生誕100周年(2024年)を振り返って
昨年(2023年)の11/12、小津安二郎監督生誕120周年を記念してティアラこうとう大ホールで行われた「小津安二郎×斎藤高順メモリアルコンサート」に続いて、今年は父高順の生誕100周年を記念するコンサートが各地で開催されました。
3/20に北九州芸術劇場大ホールで小倉東高等学校吹奏楽部が「輝く銀嶺」と「マッチ売りの少女」を、4/28に戸畑市民会館大ホールで北九州フィルハーモニック吹奏楽団が「自然への回帰」と「ブルー・インパルス」を演奏し、どちらも中西哲郎さんが指揮を務めました。
9/27には、北とぴあつつじホールで活弁士・佐々木亜希子さんとのコラボレーション企画により『浮草物語』活弁シネマコンサートを開催しました。こちらは、小津監督サイレント時代の名作『浮草物語』の映像に、父が作曲したリメイク作品『浮草』の劇中音楽を、活弁に合わせて生演奏するという世界初のユニークな試みでした。斎藤家からは、斎藤章一(チェロ)、斎藤美枝(ヴィオラ)、中村めぐみ(クラリネット)、内藤景子(ヴァイオリン)の4名が楽士として参加しました。
また、11/10に静岡市民文化会館大ホールでコンセール・リベルテ(指揮・海野貴裕さん)が「ブルー・インパルス」「小津安二郎映画三部作」「オーバー・ザ・ギャラクシー」を演奏し、斎藤家から斎藤潔(オーボエ)、中村めぐみ(クラリネット)、斎藤ちあき(バスクラリネット)、内藤貴司(ホルン)の4名がゲスト出演しました。
最後は、父の誕生日に当たる12/8、国立音楽大学シンフォニックウインドアンサンブル(指揮・井手詩朗さん)が「オーバー・ザ・ギャラクシー」「マーチング・エスカルゴ」「テューバの恋人」「ブルー・インパルス」の4作品を演奏してくださいました。
またこの日(12/8)は、斎藤高順生誕100周年記念吹奏楽作品集「交響詩オンリー・ワン・アース(かけがえのない地球)」が、渡部社長はじめ関係者皆様のご尽力によって、ネクサス音楽出版よりリリースされました。父の作品から厳選した11曲が収録されており、航空自衛隊航空中央音楽隊の見事な演奏によって、まさに日本の吹奏楽史に燦然と輝く金字塔と呼ぶに相応しい素晴らしいアルバムが誕生したと確信しております。
コンサート終了後、親族らが斎藤家に集合して、父の生誕100周年記念パーティーを行いました。斎藤家は稀にみる大家族で、しかもその多くが音楽家という大変に珍しい家族です。60年続いた小津会が昨年で終了してしまい誠に寂しい限りですが、今年からは新たに高順会を発足して皆でお酒を酌み交わしましたが、来年以降はお客様も招いてライブイベントを兼ねた催しを企画したいと思います。大勢でワイワイガヤガヤやるのが好きだった小津監督と父高順も、そのような催しをきっと歓迎してくれることでしょう。