「昭和浅草ラプソディ」イラストレーションドラマ


劇団にんげん座のお芝居には、しばしば過去を回想するシーンが登場します。これまでの舞台では、実際には高齢の主役が無理やり若作りして、青少年時代を演じたりしていましたが、今回は飯田一雄主宰の発案により、主役二人の少年少女時代をイラストとナレーションで再現することになりました。

飯田氏の考案したセリフを元に、山本敦司画伯がイラストを作成しましたが、仕上がった山本氏の絵を目にした瞬間に、このイラストレーションドラマの成功を確信しました。あとは、イラストを画像データとしてPCに取り込み、スライドショーを作成して、本番でナレーションと音楽、効果音に合わせてPCを操作すれば、イラストレーションドラマとして成立します。

ところが、音響担当の越川徹郎氏の提案により、急遽ナレーションを録音して、音楽と効果音も含めた映像データを作成することになりました。こうすれば、本番での労力が削減できるうえ、オペレーションミスも防げるというわけです。

越川氏の提案は合理的な意見であることに相違ありませんが、これを話し合ったのは本番の前々日でした。本番前々日にナレーションを録音し、その日の夜に編集作業を行い、さらに音楽と効果音を加えた映像データを仕上げなければなりません。

本番前々日の夜、または前日の朝に映像データをいただければ、私の方でPCに取り込んで動作確認を行い、どうにかギリギリ本番に間に合うスケジュールです。しかし、本番前日になって、越川氏が音声データを破損するというアクシデントが生じてしまい、再度ナレーションを録音し直すことになってしまいました。

これでは映像データが私の手元に届くのは、本番前日の深夜、または本番当日の朝ということになってしまいます。本番当日の朝にPC上で動作確認が完了していないと、最悪本番でトラブルを引き起こすか、イラストレーションドラマ自体をカットするという事態になりかねません。

PCのオペレーションは私の担当なので、私がお芝居を台無しにする張本人となってしまう恐れが生じてきました。不安な気持ちのまま本番当日の朝を迎えましたが、越川氏から深夜に映像データが送られてきており、大急ぎでPCに取り込んで動作確認を行いました。映像データの仕上がりは完璧でした。会場での最終チェックのおよそ1時間前に動作確認が完了しましたが、本当に冷や汗が出ました。

イラストレーションドラマは飯田主宰のアイデアですが、非常に魅力的なコンテンツなので、今後のイベント企画にも取り入れたいと感じました。山本画伯にお願いして、ナレーションと音楽を付けた良質な映像コンテンツに仕上げて、是非とも多くの方にご覧いただきたいと思います。

Translate

category

ページ上部へ戻る
Translate »